この畸形樹の森でか弱いひこ生えを折った
ご覧
ねじれた枝が糸を引く樹液を垂らす
柔く凹む濡れた大地
苔むす暗い森で何かを踏みつけて見ると未だ温かい肉
かつては息してた骸
しじま照らす燐の炎
音もたてず古木が腐ってゆく
目を閉じても時計は止められない
もう幼い夢路の抜け殻
遠く消えた
今はもう何もない
この畸形樹の森で一番高い木の幹に
当てた耳に聞こえる数々のうめきはきっと
ぬめり帯びた闇の息吹
この身体を次第に侵してゆく
目を開けても痛みは消せはしない
もう触手が骨まで届いた
硬直する手足は動かない
根と朽木が幾重に絡んでゆく
踏み抜いても何処にも行き場はない
もう空ろな命の灯火
凍りついた
今はもう
何も
ない
last updated February 13, 2001.
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