傷跡

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唇がひび割れ冷たく乾いてゆく
指先が触れれば脈打つ傷口

剥がれ落ちた壁
砂を巻き上げて吹き抜ける風に乗って
僕をすり抜ける耳打ちのような声

振り向いて探した
突き刺す陽射しの下
透き通る白さが一瞬瞳よぎる

そう
延ばした手の先で消える悪戯な影は
時の流れが癒せない乾いた傷跡

揺れる蜃気楼
砂と太陽に焦がされた街を越えて
僕をすり抜けたせせらぎのような風

あの風はこれまでいくつも空を舞って
涼しげな白さで誰もを惑わせてた

そう
僕の眼を躱して逃げる悪戯な影は
願う気持ちも届かない心の傷跡

あふれ出す涙もいつかは乾いてゆく
何もかも色褪せいつかは白く白く

唇をなぞって前髪通り過ぎて
指先に絡んだ感触
もう忘れた

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last updated February 13, 2001.

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