夢の風景 (13) 宛先のない手紙 部屋で仲良く話していても、すぐ些細な事で喧嘩になってしまう。 『ここは私のいる場所じゃないんだ』と言って部屋を走り出る君を追い掛けて、冬の朝の切れる寒さの中、マンションの廊下や周りを走り回って捜した。 去年の春に包丁で首を切って飛び降りようとした屋上に続く非常階段にも、夜中に立て篭もった公園の隅にもいなかった。 部屋に戻り、玄関を開け放して待つ。ここはとても寒い。 ← 回想列車 去年の今頃は →